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風船関連ツール4

__ もっと長持ち __
2012/12/24記載



1.比較実験
ウルトラハイフロートで風船が長持ちすることは、 長持ちツールのページで紹介したとおりです。

でも、もっと長持ちさせたくて、その後もいろいろと実験を繰り返しました。
その結果、意外なものに絶大な効果があることがわかりました。

実はそれは、木工用ボンドです。

まずは実験結果をご紹介します。




例によって、プードルで実験します。

これは作った直後の写真です。


 左:木工用ボンドを入れたもの。

 中:ウルトラハイフロートを入れたもの。

 右:加工せずに普通に作ったもの。


1週間後

加工しないものはすっかり縮んでしまいました。


2週間後

木工用ボンドとウルトラハイフロート、ここまでは良い勝負。

形がほとんど崩れていません。


1ヶ月後

ウルトラハイフロート、力尽きています。

木工用ボンドは多少小さくなったような気はしますが、形は大丈夫。


1ヶ月半後

木工用ボンド、目に見えて歪んできました。
そろそろ限界のようです。


このように、明らかに木工用ボンドの方が効果が大きいことがわかります。

ただし、後述しますが、木工用ボンド特有のデメリットもあるので、 目的別にウルトラハイフロートと木工用ボンドを使い分けるのがおすすめです。





2.木工用ボンドの使い方
木工用ボンドの使い方は、基本的にウルトラハイフロートと同じです。



いろいろなタイプが市販されていますが、成分欄に「酢酸ビニル樹脂」と表示があれば、どのメーカーのどの商品でもOKです。



口で吸って、風船の中の空気を抜き、 写真のようにペッタンコにします。



空気が入らないように気をつけながら、吹き口を木工用ボンドのノズルにかぶせます。

ノズルの中に空気が入っていると困るので、あらかじめボンドの容器を逆さに振るなどして、ノズルの先端までボンドを充填しておいてください。

1番の写真の中央の容器のように、逆さに立てておけるタイプだと好都合です。


風船が3〜4cmふくらむくらい木工用ボンドを入れます。



風船をしごいて、中の木工用ボンドを先端まで送り込みます。

このとき、風船の中に空気が入っていると うまく送り込めないので、 最初に空気を抜いておくわけです。

あとは普通にふくらませて使えば、風船の内側に自然に皮膜ができます。

なお、木工用ボンドを使うときの大事な注意点があります。
それは「使った後、ポンプの手入れをすること」です。

ウルトラハイフロートでも同じですが、ポンプの吹き口についたボンドを取り除いておかないと、 それが固まってポンプが使えなくなってしまうからです。





3.木工用ボンドの特徴
ウルトラハイフロートと比較しながら木工用ボンドの特徴をまとめてみます。


木工用ボンド ウルトラハイフロート
耐久性 1ヶ月以上 10日以上
価格 安価 高価
使用感 乾くとパリパリ 比較的ふわふわ
最初は白、乾くと透明 透明

木工用ボンドは乾くとパリパリになるので、 手に持ったりする風船のときはウルトラハイフロート、 手を触れない飾り付けのときは木工用ボンドというように、 使い分けると良いかもしれません。





4.超長持ち実験
さてこうなってくると、木工用ボンドとヘアスプレーの併用で、 どのくらい長持ちするのかが気になるところです。

実験してみました。



またまたプードルの登場です。

内側には木工用ボンド、外側にはヘアスプレー。

この写真は作った直後です。


いきなり 3ヶ月後。

ほとんど変化がありません。


6ヶ月後。

全体に小さくなった感じですが、形はまだ大丈夫。


9ヶ月後。

まだまだ元気です。

でも、触ってみると内圧がかなり下がっているのがわかります。


ついに 1年後。

良く見ると表面に細かいしわができていますが、それでもまだ見られる形を保っています。

いったいいつまで続くのでしょうか?


上の写真を撮ってから1ヶ月くらいしたころ、うっかり物をぶつけてしまい、 顔のバブルから空気が抜けてしまいました。
今回はここまで。


でも、胴体や足はまだふくらんでいるので、条件が整えばさらに長持ちする可能性もあると感じました。
いずれ、記録更新に挑みたいと思います。

結果として、室内に放置した状態でも、木工用ボンドとヘアスプレーの併用で、 なんと1年以上も風船の形を保つことができました。

コストパフォーマンスも高いので、おすすめです。木工用ボンド。





5.検証と考察
1年以上頑張ったプードル。
そのまま捨てるのはもったいないので、研究材料になってもらいました。





まだふくらんでいる足の部分をカッターで切ってみます。


切っても、パン!と割れることはなく、ご覧のように切り開くことができました。

ゴム風船というよりビニール風船に近い感じです。

内側は木工用ボンドの皮膜がほぼ均一に広がっていて触るとスベスベです。



さらにしっぽの途中を切ってみました。

切っても形が保たれています。


【考察1】

上記のように、切っても縮まないのは、風船のゴムが伸びきって 張力が無くなっているからでしょう。
長期間伸ばしっぱなしにした輪ゴムが縮まなくなるのと同じ。

風船の張力が低下すれば、空気の漏出によって内圧が下がってもバブルがしぼまずに済みます。
そして、張力の低下と内圧の低下が共に進行していくと、あるところで漏出が止まることになります。

この過程で、張力と内圧のバランスがとれていることが必要ですが、普通の風船は張力の低下よりも 空気の漏出による内圧の低下が先行するので、数日でしぼんでしまうわけです。

今回実験した感触としては、ふくらませてから半年を過ぎたあたりでゴムの張力が ほとんど無くなる感じです。
すなわち、半年間十分に空気の漏れを押さえられれば、より長期間もつようになると考えられます。

木工用ボンド+ヘアスプレーの組み合わせはこの条件をクリアしているようです。


【考察2】

木工用ボンド+ヘアスプレーで半年以上もたせた風船は、空気が抜けることはあっても縮みはしません。
しわしわになるだけ。
要するにビニール風船と同じです。

ということは、ビニール風船のように空気の補充ができるのではないでしょうか。
例えば、ある程度しわしわになったバブルに注射針を刺して空気を注入すれば、 注射器で可能な低圧の空気でも元通りふくらませられるのでは?
(注射針の穴は木工用ボンドか瞬間接着剤などで塞げると思います。)

もしこれが上手くいったとしたら、ツイストバルーン作品の永久保存の可能性が出てくるかもしれません。
一度実験してみたいものです。








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